雪が降った時に四日市市内の路線バスが運休になる条件を解説

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今回は三重県四日市市内で運行する路線バスが、雪が降ったときに運行しているのかどうかを三重交通で運転士を経験したことがある筆者が解説していきます。

雪が降ったときは、ぜひ当記事を参考にしていただければ幸いです。

目次

雪が降ったときの三重交通の対応

三重県の地域は、主に北部エリア(いなべ市、桑名市、四日市市、菰野町)で雪が降ります。その中でも特に、四日市市が雪が降りやすく積もりやすい傾向にあります。

これは滋賀県からの雪雲が、鈴鹿山脈の山間部を通り抜けた時の風向きによって、四日市に雪雲が流れやすくなっているからです。山の形状の特性とも言われています。

路線バスのタイヤ環境

三重県は元々温暖な地域なので、常に雪が降ることはありません。

四日市市内を運行するバスの9割はノーマルタイヤで運行し、山間部の近くを中心に運行する1割のバスにスタットレスタイヤを装着されています。

タイヤチェーンを装着して運行

タイヤチェーンの装着には、事前に営業所からの指示があって装着することが多いです。運転士だけの判断で行う場合もありますが、運行時間が大幅に遅れてしまうので、通常は営業所の指示を受けてチェーンの装着を行います。

タイヤチェーンを装着するタイミング

雪が降り始めの時はノーマルタイヤで運行しますが、雪が積もり路面が見えなくなった時は滑りやすくなる為、タイヤチェーンを装着して運行します。

タイヤチェーンの装着作業時間

タイヤチェーンは、基本的に運転士が自ら取り付けを行います。

チェーンの装着場所は、左の前輪1本と後輪の左右に2本に装着することが基本となります。

しかし、タイヤチェーンは鉄の鎖なのでとても重たいです。装着時間はベテランの運転士でも最低30分は掛かり、経験の浅い運転士や体力の弱い運転士だと1時間~1.5時間は作業に時間が掛かります。

タイヤチェーンの装着が遅すぎても運転士を責めないで!

運行中に道路が雪で前に進めない時は、その場でチェーンの装着作業を行い、始発からチェーンを装着して運行する場合は、出勤時間が早い運転士で朝4時から職場に来て作業を開始します。

特に夜間は周辺が真っ暗で見えにくいので、作業時間がいつも以上に掛かってしまいます。

もし始発のバスが遅く到着したり、運行中に停車してチェーンを装着する場合、遅すぎてイライラしてしまうかもしれませんが、運転士を責めないであげてください。

皆さんが目的地まで、安全に運行されている運転士さんに感謝しましょう。

なお到着が遅すぎた場合に、運賃の支払を拒否される乗客が稀にいらっしゃいますが、路線バスは乗車時間ではなく乗車距離で運賃を頂いていますので、タクシーのような感覚でご乗車はご遠慮いただきたいです。

運休になる条件

路線バスが運行できなくなる条件は、道路状況を見て安全運行が行えなくなった場合です。

三重交通ではちょっとした雪であれば、タイヤチェーンを装着して運行を行いますが、安全運行が難しくなった場合はやむを得ず運休することがあります。

雪が継続的に降っている時

三重県内では、山間部を除いては除雪車が稼動することはないので、道路上の雪がおおよそ20センチ以上になると運行を取りやめる場合が多いです。

特にタイヤチェーンを装着していても雪が数日に渡り連日振っている場合は、道路の路面状態が良くないため運休することがあります。テレビ等で東海地方で大雪などの報道がされている時は注意です。

「大雪に警戒(東海)」テレビ報道

タイヤチェーンが破損しそうな時

こちらも連日雪での走行の場合、タイヤチェーンを装着したまま1日中運行することになります。チェーンは路面にこすり付けることで、鎖の太さが徐々に削られていきます。

バスの車内には、予備のタイヤチェーンが数本ありますが、これが全て破損してしまうともう運行を行うことができなくなってしまうので、完全に破損して自走することができなくなる前に運休することが多いです。

太陽が入りにくく日陰になりやすい時

雪が止んでも、太陽の光が届きにくく日陰になりやすい道路は、雪解けが遅いので区間運休を行うことがあります。

水沢線の神明町バス停付近

日陰になりやすい場所以外にも、急な坂道や狭隘路は迂回を行う区間運休が実施されることがあります。

三重県は温暖な地域なので、雪が降らない想定で道路が作られているため、雪が降ると通るのが難しい道路が各エリアで存在します。

特に四郷高校前の坂道は勾配がキツイので、ゆっくり走らないと事故が発生したり、上りきれずに立ち往生してしまうこともあります。

水沢線の四郷高校バス停付近の坂道

部分運休区間

四日市駅から運行している路線バスで、雪が降ったときに区間運休になりやすいバス停をご紹介します。

水沢線

軽度の運休(凍結しやすい区間)

  • 神明町~小山 の2区間
  • 波木道~狭間道 の2区間

↑道幅が狭く樹木による日陰のあるエリア

中度の運休(山間部区間のみ)

  • 水沢本町~宮妻口 の7区間
  • 水沢本町~椿大神社 の13区間

↑山間部で道幅の狭かったり坂道が多いエリア

高度の運休(市内も含めた全ての区間)

  • 近鉄四日市~小山田病院
  • 近鉄四日市~宮妻口
  • 近鉄四日市~椿大神社

↑JR四日市駅から近鉄四日市駅までの運行

福王山線

軽度の運休(凍結しやすい狭隘路区間)

  • 朝上地区センター~朝上農協前 の2区間

↑道路が狭く、建物で日陰になりやすいエリア

中度の運休(狭隘路&山間部区間)

  • 岡山~福王山 の20区間

↑岡山から終点までは道幅の狭い区間が多い

高度の運休(市内も含めた全ての区間)

  • 近鉄四日市~福王山 の40区間

↑JR四日市駅から近鉄四日市駅までの運行

羽津山線

軽度の運休(凍結しやすい坂道区間)

  • 羽津山住宅口~南垂坂 の5区間

↑大谷台バス停を越えた先の急勾配な坂道が危険

高度の運休(除雪されていない道路)

  • 近鉄四日市~キオクシア東門前

↑道路が除雪されていない状態

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